[更新日]: 2019年01月11日
自作のAT-20シングルアンプを「交流点火」に変更した。
私の思いとしては、交流点火は先ず直流点火よりも真空管にとってやさしく、球の動作も自然なものになるだろう。音はともかく、真空管を自然な状態で動作させたい。また私のまわりにいるオーディオマニアの古老のみなさんは、ハムノイズがあっても、交流点火での再生音を求めていた。音楽への思いの強い先輩諸氏がここまでこだわる交流点火のサウンドの魅力はそれ相応の深いものがあるだろうと理解してきた。しかし、そうは思ってもppの緊張感の中でのあのハムノイズには耐えられず、「直流点火」を選択してきた。
正月あけ、出来上がったアンプが自宅で試聴できる運びになった。いよいよ交流点火のサウンドをノイズ無しで、静寂の中で再生できる。期待がふくらむ中でスイッチオン、ブーンというノイズの後、動作に入り、いわゆる6v管のAT-20のノイズが続く、すぐにすーっとノイズが消え、アルテック38㎝ウーハに静寂がくる。
先ずはcdでピアノトリオで女性ボーカルから、一聴してこれまでの音とは異なる。一段とクォリティアップしたサウンドに驚いた。自分の慣れ親しんだオーディオシステムで聴く、アンプの変化に明確な違いを感じた。
低域の厚み、広がり、それでいて芯のしっかりとしたベースの音の頭、立ち上がりも一段と鮮明になっている。何よりも大きな変化は弦バスのしっとりとした弦の質感が出ている。ピアノもそれぞれの音の厚みを感じる。速いパッセージでも輪郭のしっかりした動きである。ボーカルもしっとりした質感を感じさせる。ドラムスと管のリズムの縦の線がきっちり出て小気味よく、ブレーヤーの息の合った表現の意図が読み取れる。これはラテン音楽の試聴でも管楽器の息づかいとパーカッションのリズムの切れのよさを感じた。シェラザードのバイオリンのソロ部分では音の艶、スピード感の変化がくっきりと伝わってくる。弱音までしっかりと再生されていると感じた。
このように感じることは、全体として音が静かになり、VRの位置が自然に上がっていることに気付いた。それを音量としてではなく、サウンドのダイナミクスとして感じる。ちなみにこのアンプはクラーフ結合(パラフィード結合)で、真空管アンプとしては帯域は広い。その良さも交流点火でさらに生きてくる。オーディオマニアは良質な音を求めて、各種のケーブルや部品等の選択をしている方も少なくないと思うが、交流点火のような回路の基本的な所での改善は、部分の改善だけではなく、音楽再生の本質的な変化を生み出していると感じた。
大がかりな感想を有り難う御座います、これからも頑張ります。
3年程前に845を直流点火動作したアンプを作り今回交流点火方式に改良しましたので交流点火方式の良さが聴けたと思います参考にして下さい。(有名オーケストラの演奏家です)交流点火、凄く良いです。低音が床下から鳴るようになりました。実際、防音室の床が振動します。全体の響き、音楽感が別物と思うくらい良くなりました。オーケストラはもちろん素晴らしいのですが、大好きな女性シンガーUruさんの声も変わりました。口や顔の筋肉の動きまで判るような気がします。先日、ノイズが聞こえると電話でお話ししましたが、最近全く聞こえなくなりました。(アルテック604)耳が慣れたのではなく、実際にスピーカーに耳を近づけなければ、聞こえないレベルになりました。「交流点火は音が良い」という話はオカルトの世界かも?と半信半疑でしたが、本当だったのですね!感激です。(THE富士山845アンプ) 貴重な感想有り難う御座います。
今後も改良を重ねて完成度を上げていきます。